<< ドライブ | main | 液晶ポリマー >>

スポンサーサイト

  • 2007.01.03 Wednesday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


後半

     二

 明国の末に瞿稼軒といふ忠節の人があつた。倒れかかつた国家の柱石として、いろいろ復興の画策につとめたが、時の勢はどうすることもできないで、守つてゐる城は、清兵のために攻め落されて、自分は捕虜の身となつた。
 彼は舁がれて独秀山の山路を通りかかつた。ふと、大きな樹の蔭に見馴れない変つた形をした石が生き物のやうにかいつくばつて、醜い顔で天をふり仰いでゐるのを見た。彼は自分を舁いでゐる兵卒を呼びとめた。
『おい。一寸ここにおろしてくれ。あの不思議な石が眼についたから。』
 彼はつねから庭石が好きだつたので、今捕虜として舁がれて往く途中でも、石を見つけてはそのまま別れてゆくに忍びなかつたのだ。
 兵卒は承知した。地べたにおろされた瞿稼軒は、側に寄つてためつすがめつ石の形相を見てゐたが、やがて襟を正して丁寧にお辞儀をした。
『ここでお前さんに出逢つたのは、ほんたうに幸福だつた。どうか永く側においてもらひたいものだ。』
 彼は人に話しかけるやうにいつた。そしていつまで経つても立上らうとしなかつた。

スポンサーサイト

  • 2007.01.03 Wednesday
  • -
  • 16:29
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>
sponsored links
リンク
なまちゃ
ページランク アップ大作戦
駆け出し小説家への道?
相互リンクの相互リンク時計
ICE & COOL
DNAと出会い
だってファンなんですもの
出会い 友情 愛情
出会いサイト
アダルトビデオ
SEO対策とアフィリエイトを頑張ってみるブログ
出会いサイト調査団
出会いと友情
selected entries
archives
recent comment
recent trackback
recommend
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM